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ダイビングスキルでSDGsに貢献!活動方法と事例をご紹介!

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「海が好き」「水中世界を探求したい」という純粋な情熱から始めたダイビング。しかし、そのスキルが実は、地球規模の課題解決に貢献できるとしたら、あなたは驚くでしょうか?
近年、ダイビングスキルをSDGs(持続可能な開発目標)の達成に活かす事例が世界中で生まれています。
海洋環境の保全はもちろん、地域社会の活性化、教育、さらには貧困削減まで、その可能性は多岐にわたります。
この記事では、SDGsの各目標にダイビングスキルがどのように活かせるのか、そして具体的に取り組まれている活動を、国内外の事例を交えながら徹底解説します。
ダイバーはもちろん、環境問題に関心のある全ての人にとって、新たな視点と行動のヒントが得られるはずです。
なぜダイビングスキルがSDGsに貢献できるのか?
ダイビングスキルとSDGs。一見すると結びつかないこの二つが、なぜ親和性を持つのでしょうか?
その理由は、ダイバーが持つ独特の能力と視点にあります。
①水中環境への深い理解と観察力
ダイバーは、水中で直接生態系を観察することが多く、その変化や異変にいち早く気づくことができます。
サンゴ礁の白化、海洋ゴミの蓄積、特定の生物の減少など、地球温暖化や環境汚染の影響を肌で感じ、科学的な数値データだけでは捉えきれない現場の情報を他の人に共有できます。
②卓越した水中技術と体力
水中での作業は、陸上とは異なる技術と体力を必要とします。
ロープワーク、水中撮影、サンプリング、水中での移動能力など、専門的なスキルを持つダイバーは、海洋調査や保全活動において重要な役割を果たすことができます。
③海洋への強い愛着と責任感
多くのダイバーは、美しい海を守りたいという強い思いを持っています。
そのため、自発的に清掃活動に参加したり、環境保護に関する情報を発信したりするなど、積極的に行動する傾向があります。
これらの要素が組み合わさることで、ダイビングスキルはSDGsの達成に向けた強力なツールとなり得るのです。
SDGsの各目標とダイビングスキルの具体的な活用事例
それでは、具体的にダイビングスキルがSDGsの各目標とどのように結びついているのかを見ていきましょう。
目標4:質の高い教育をみんなに
目標4の中に、以下の達成目標が掲げられています。
2030年までに、教育を受けるすべての人が、持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技術を身につけられるようにする。そのために、たとえば、持続可能な社会をつくるための教育や、持続可能な生活のしかた、人権や男女の平等、平和や暴力を使わないこと、世界市民としての意識、さまざまな文化があることなどを理解できる教育をすすめる。
引用:4.質の高い教育をみんなに | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)
「持続可能な社会づくりのための教育」は、自然環境を守る意識や行動にもつながっていきます。
たとえば、ダイビングスキルを持つ人は、海洋環境の保護や再生活動に実際に関わることができ、そういった活動の大切さや方法を、体験を通して他の人に伝えることもできます。
これは、持続可能な社会を目指す教育の一環として、とても有意義な役割を果たしていると言えるでしょう。
以下は具体的な活動に落とし込んだ事例です。
水中環境教育プログラムの実施
ダイバーがインストラクターとして、子供たちや地域住民に対して、海洋生物の多様性や環境問題に関する教育プログラムを提供します。
実際に海に潜る体験を通して、環境保護の重要性を肌で感じてもらうことができます。
海洋科学研究への協力
ダイバーが観察したデータや水中写真を研究機関に提供することで、海洋科学の研究を支援します。
市民科学者(シチズンサイエンティスト)としての役割を果たすことができます。
目標11:住み続けられるまちづくりを
目標11の中に、以下の達成目標が掲げられています。
世界の文化遺産や自然遺産を保護し、保っていくための努力を強化する
引用:11.住み続けられるまちづくりを | SDGsクラブ | 日本ユニセフ協会(ユニセフ日本委員会)
文化遺産や自然遺産は、都市や地域の個性を形成する大切な要素です。
特に海洋に関する遺産は、目に見えにくく、放置されやすいという課題があります。
そのため、専門的な知識とスキルをもった人材による調査・保全活動が不可欠です。
以下は、ダイビングスキルが活用される具体的な活動例です。
水中文化遺産の保全
沈没船や水中遺跡など、水中に存在する文化遺産は、風化や環境変化によって損なわれる危険があります。
これらの遺産を記録し、適切に保護していくには、ダイバーの知識と技術が欠かせません。
潜水による調査や清掃活動を通じて、貴重な歴史資産の保全に貢献できます。
観光客への環境配慮啓発
ダイビングサービス事業者などが、観光客に対してサンゴ礁保護やゴミの持ち帰りなどの環境配慮を促すことで、持続可能な観光を推進します。
目標12:つくる責任 つかう責任
持続可能な社会を実現するためには、「モノをつくる人」だけでなく、「使う人」もその責任を意識することが求められます。
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」では、資源の効率的な利用や廃棄物の削減、リサイクルの促進などを通して、持続可能な生産と消費のあり方をめざしています。
ダイビングスキルを持った人は以下の活動を行うことで、”消費の結果”を見える化し、社会にフィードバックする役割を担うことができます。
海洋ゴミの回収・モニタリング
ダイバーが水中清掃活動を行い、海洋ゴミの回収に貢献します。
また、回収したゴミの種類や量を記録することで、ゴミ問題の実態把握に役立てられます。
秋田県スキューバダイビング連盟は、清掃活動で回収したゴミの種類や量を詳細に記録し、調査結果を報告書にまとめて公開することで、海洋環境保全への関心を高める活動を行っています。
参照:清掃活動で「母なる海への恩返し」(秋田県スキューバダイビング連盟) | あすも | 秋田県環境ポータルサイト
マイクロプラスチック調査への協力
近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が深刻な問題となっています。これらは目に見えないほど小さなプラスチック片で、、最終的には海洋生態系に入り込んでいきます。
ダイバーは水中でプランクトンネットを使用し、マイクロプラスチックのサンプルを採取する活動に協力できます。
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標13は、気候変動とその影響に立ち向かうための対策を促進することを目的としています。
海洋環境は気候変動の影響を特に受けやすく、その変化は生態系や人々の暮らしにも大きな影響を与えています。
現場で直接観測できる能力は、気候変動の実態把握と対策立案において貴重な情報源となります。
以下は、ダイビングスキルを活かした具体的な取り組み例です。
サンゴ礁のモニタリングと保全
水温上昇によるサンゴ礁の白化現象を監視し、その状況を記録・報告します。
また、サンゴの移植や人工魚礁の設置など、サンゴ礁の回復を支援する活動に貢献します。
海面上昇の影響調査
海岸線の変化や水没した地域の調査に協力し、気候変動による影響を具体的に把握するための情報を提供します。
ダイバーは、現場レベルでの変化を把握するためのデータ提供を行います。
日ごろから海の状態を見ているプロが協力することで、科学的な分析や将来的な対策の立案にも貢献します。
目標14:海の豊かさを守ろう
目標14は、海洋資源を持続可能な形で利用しながら、海の生態系を守ることを目指しています。
海は地球の生命を支える重要な存在ですが、乱獲や汚染、外来種の侵入などによって、海洋環境は急速に悪化しています。
こうした課題に対して、水中での観察・記録・活動ができるダイバーの役割がますます重要になっています。現場でのモニタリングや管理支援は、政策や保全活動の精度を高めるうえで欠かせません。
以下は、ダイビングスキルが活かされる具体的な活動例です。
海洋保護区の設定・管理への協力
ダイバーが海洋保護区の境界線を確認したり、不法な漁業活動を監視したりすることで、保護区の効果的な管理に貢献します。
絶滅危惧種の保護活動
特定の海洋生物の生息状況を調査したり、繁殖を支援したりする活動に協力します。
ダイバーは、生態系に配慮しながら生息状況を記録したり、繁殖期に影響を与えないかたちで保護活動に協力可能です。
外来種のモニタリングと駆除
本来その海域にいなかった外来種は、生態系のバランスを崩す原因となります。
特定の海域に侵入した外来種の分布状況を調査し、駆除活動に協力します。
世界と日本のダイビングスキル活用事例
世界各地、そして日本国内でも、ダイビングスキルをSDGs達成に活かす素晴らしい事例が生まれています。
カリブ海のサンゴ礁再生プロジェクト
ダイバーが積極的にサンゴの断片を採取し、養殖して移植する活動を行っています。観光客も参加できるプログラムもあり、環境保護への意識向上にも貢献しています。
東南アジアの海洋ゴミ回収ボランティア
ダイビングツアーと連携し、参加者がダイビング中に見つけた海洋ゴミを回収するボランティア活動が盛んに行われています。
ヨーロッパの水中考古学調査
ダイバーが専門的な知識と技術を活かし、沈没船や古代の遺跡を調査・記録し、歴史的価値の保全に貢献しています。
フィジーのサメの養子縁組プログラム
ダイバーがサメの個体識別を行い、その情報を記録・共有することで、サメの保護活動に貢献しています。
一般の人もサメの養親になることで、保護活動を支援できます
参照:実態から具体的な取り組み事例まで!| SDGs目標14 海の豊かさを守ろう | サメを養子縁組して守るプログラムをご紹介! | SIF(Social Innovation Fiji)
沖縄のサンゴ礁モニタリング
地元のダイビングショップやダイバー団体が協力し、定期的にサンゴ礁の状態を観察し、データを研究機関に提供しています。(目標13、14、17)
参照:宮古島でサンゴ礁を守る「グリーン・ダイバー」になろう!|宮古島|沖縄|国内|エリア情報|Marine Diving web(マリンダイビングウェブ)
伊豆半島の水中清掃活動
地域住民やダイバーが協力し、海岸や海中のゴミを清掃する活動が継続的に行われています。(目標12、14、17)
参照:2024年度 伊豆半島の海ゴミ一掃プロジェクト@静岡県伊東市/事業成果物 | CANPAN
子供向けの海洋環境教育プログラム
ダイビングインストラクターが中心となり、シュノーケリングなどを通して海の生き物や環境問題について学ぶプログラムが開催されています。(目標4、14、17)
参照:海の環境教育NPO bridge | 海から見える私たちの暮らし
漁具ゴミ回収とリサイクルの試み
ダイバーの土井優太氏は、漁師が集まる場所の海底に大量の釣り具が廃棄されている現状をSNSで発信しています。
地元自治体の許可を得て、チームで海底清掃を行い、回収した釣り具を再販するなど、廃棄物回収に経済サイクルを生み出す持続可能な漁業文化の創造を目指しています。(目標12、14)
参照:「釣りという文化をサステナブルに」 海中ゴミ拾いで資源再利用…「マリンスイーパー」が目指す先: J-CAST ニュース
石垣島の水中文化遺産を活用した観光プログラム
九州大学と地元のダイビングサービスが連携し、ダイビングを通して水中文化遺産を学び、その保護に貢献するプログラムを実施しています
参照:産官学連携の “アカデミックな ダイビング” で、SDGsにも貢献!石垣島の水中文化遺産をガイド・インストラクターとめぐる屋良部沖海底遺跡スペシャルティダイバーコースを開設しました
これらの事例は、ダイバーのスキルが、地域や国境を越えてSDGsの達成に貢献できることを示しています。
ダイビングスキルはSDG’sを達成するための貴重なスキル
いかがだったでしょうか?
この記事では、ダイビングスキルがSDGsの様々な目標達成に貢献できる理由と、具体的な活用事例を紹介しました。
十分なダイビングスキルを持っている方は、以下の方法で今日からでもSDGsに貢献できます。
①環境に配慮したダイビングを心がける
サンゴに触れない、生物を追いかけない、ゴミを出さないなど、基本的なルールを守ることから始めましょう。
②水中清掃活動に参加する
地域のダイビングショップや団体が主催する清掃活動に積極的に参加しましょう。
③海洋環境に関する情報を発信する
SNSなどを活用して、海の美しさや現状、環境問題に関する情報を共有し、周りの人々の意識を高めましょう。
④市民科学プロジェクトに参加する
海洋生物の観察記録や写真などを研究機関に提供するプロジェクトに参加しましょう。
⑤環境保護団体への寄付やボランティア
海洋保護に取り組む団体を支援することも、間接的な貢献となります。
ダイバーにとっては「当たり前」と思える行動も、社会にとってはとても貴重で、今まさに必要とされている能力です。
海を愛し、潜ることができるあなただからこそできるSDGsへのアクション。
その一歩を、ぜひ今日から始めてみてください。
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