COLUMN for DivingShopダイビングショップ向け経営・集客コラム
マイクロプラスチックとは?海を守るためにダイビングショップ様ができることもご紹介!
INDEX
ペットボトルやストロー、レジ袋など私たちの生活の中にはプラスチックでできた製品であふれています。
プラスチックは生活に欠かすことのできないものですが、海に流出してマイクロプラスチックになってしまうと半永久的に海を漂い、環境にも影響することが分かってきました。
この記事ではマイクロプラスチックとは何か、環境にどんな影響を及ぼすのかを解説し、ダイビングショップ様が環境のためにできる取り組みについてもご紹介します。
世界全体で取り組まれているSDGsでも「海の豊かさを守る」が目標として掲げられています。
環境への取り組みは大切な海を守るだけでなく、ダイビングショップ様にとっても環境問題への意識が高いお客様に選ばれやすくなるなどのメリットもあります。
この記事を参考に、海を守るためにできることから取り組んでもらえれば幸いです。
マイクロプラスチックとは
まずは、マイクロプラスチックとは何かをかんたんにご説明します。
マイクロプラスチックとは小さなプラスチックの粒子のことで、一般に5ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼びます。
マイクロプラスチックには「1次マイクロプラスチック」と「2次マイクロプラスチック」の2種類があります。
1次マイクロプラスチック
洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として含まれているもの
2次マイクロプラスチック
ポイ捨てされたごみが海を漂っている間に紫外線で劣化し波で砕けて粉々になってしまったもの
近年、海を漂うマイクロプラスチックに関する研究が進められており、海の生態系への影響も指摘されています。
沖縄周辺の海でもマイクロプラスチックは見つかっています。
2018年に沖縄科学技術大学院大学(OIST)が行った調査で、本島6か所の海水がマイクロプラスチックで汚染されていることが分かりました。
中城湾では海水に含まれる物質の25%がマイクロプラスチックという結果に。マイクロプラスチックは身近な問題でもあります。
海のプラスチックごみは陸から来ている
プラスチックは人が作り出したもので、もともと自然界にあるものではありません。
マイクロプラスチックの元となっている海のプラスチックごみは人が住む陸から来ています。
陸から海に流れ込むプラスチックごみは年間500~1500万トンにもなるといわれます。
海に流出したプラスチックはマイクロプラスチックになり、分解されずに半永久的に海を漂います。
そのため2050年には魚よりプラスチックが多くなると予想する研究者もいるほどです。
プラスチックはどのようにして海に流出してしまうのでしょうか。
原因は一つだけではなく、対策は簡単ではありません。
まずあげられるのが、ごみのポイ捨てや不法投棄です。
しかし、原因はポイ捨てだけではありません。
きちんとごみ箱に捨てたものの、ごみ箱からこぼれ落ちてしまったり、リサイクルされなかったために量が多すぎてごみの集積場からあふれてしまったりすることもあります。
また、災害時に使った土のうや農業で使われた資材が劣化してしまい、雨や洪水などで海に流れ出すこともあります。
ペットボトルを使う飲料メーカーなどの企業や市民団体が調査や対策に乗り出していますが、簡単に解決する問題ではありません。
私たちひとりひとりが意識してポイ捨てをしないようにする、ごみを減らすなどの取り組みを気長に続けることが必要です。
マイクロプラスチックのなにが問題なのか
マイクロプラスチックがいったん海を漂流し始めると細かすぎて回収することは不可能です。
そして、プラスチックは自然に分解されないために半永久的に海を漂うことになります。
また、プラスチックのごみが海を漂いながら紫外線で劣化してマイクロプラスチックになる間に温室効果ガスの25倍のガスが発生するともいわれており、温暖化の原因にもなっています。
温暖化だけでなく、海の生態系にもマイクロプラスチックは影響を及ぼしています。
マイクロプラスチックがサンゴに取り込まれ、サンゴと共生している褐虫藻が減っているという報告もあります。
褐虫藻が減るとサンゴの白化の原因にもなり、サンゴが死んでしまうと海の生態系が破壊されてしまいます。
さらに生物の体にマイクロプラスチックが取り込まれると、悪影響が出ることが分かってきました。
プラスチックをつくる時には、添加剤が使われています。
その添加剤には免疫系に影響を与えるなど生物に有害なものもあり、分解されマイクロプラスチックになっても添加物は残ります。
マイクロプラスチック自体にも科学物質がくっつきやすいため、マイクロプラスチックが体に入ってしまうとくっついている科学物質も取り込むことになってしまいます。
マイクロプラスチックは広い海を漂っていて、調査が難しく、まだ分からないことも多いのが実情です。
しかし、プラスチックごみは海に流れ込み続けており、対策は待ったなしの状態です。
ダイビングショップ様でできることと取り組むメリット
海の恩恵を受けているダイビングショップ様だからこそ、海を守るために何とかしたいという思いを持っている方も多いと思います。
マイクロプラスチックを増やさないために対策としてダイビングショップや生活の中でできることは以下のようなことです。
- ・海辺や海中のごみ拾い
- ・ペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品をなるべく使わない
- ・シャンプーや洗剤は詰め替えができるものを選ぶ
- ・プラスチックごみはできるだけリサイクルする
- ・ダイビングに参加するお客様にもマイボトル、マイバックを使うよう呼びかける
上記のほかにもあるかもしれません。
また、実際に取り組まれているダイビングショップ様もあるかと思います。
海を守るために取り組まれていることがあれば、ホームページやブログで公表することをおすすめします。
近年ではSDGsに取り組む人や企業も増えています。
環境に配慮しているお店は環境問題などに敏感な意識の高い顧客に選ばれやすくなります。さらにSDGsに関心のある人が検索でお店のホームページやブログを見てくれて新たな顧客を獲得できるかもしれません。
ダイビングを楽しめる美しい海を守るために
今回はマイクロプラスチックについてご紹介させていただきました。
プラスチックは生活に欠かせない便利なものですが、環境を破壊する原因の一つにもなっています。
ダイビングを楽しめる美しい海を守るためにも、まずはできることから始めてみませんか。
ごみ拾いなど取り組まれていることがあれば、ぜひホームページやブログに掲載してみてください。
環境に優しいお店として選ばれるだけでなく、記事を読むことで環境に配慮した取り組みをする人が増えるかもしれません。